面接で「意見が対立した経験」を聞かれたら?答え方の型と相手別の回答例
面接で意見が対立した経験を聞かれたら、仕事の進め方をめぐる意見の違いを一つ選び、「状況、相手の考え、自分がとった行動、結果とその後の関係」の順で話します。面接官が見ているのは誰が正しかったかではなく、冷静に相手の話を聞き、事実をもとに話し合って、仕事の成果につなげられるかです。
面接で「意見が対立した経験を教えてください」「周りの人とぶつかったとき、どう対応しましたか」と聞かれたら、仕事の進め方をめぐる意見の違いを一つ選び、相手の考えを受け止めたうえで、自分がどう動き、どんな結果になったかを1〜2分で話します。面接官が知りたいのは誰が正しかったかではなく、意見が違う相手とも冷静に話し合い、仕事を前に進められる人かどうかです。
面接官は意見が対立した経験で何を見ているのですか?
職場では、意見の違いは毎日のように起きます。面接官がこの質問で確かめているのは、主に次の点です。
- 感情的にならないか:意見が違うときに、声を荒らげたり黙り込んだりせず、落ち着いて対応できるか。
- 相手の立場を理解しようとするか:相手がなぜそう考えるのかを聞き、背景を想像できるか。
- 伝え方が適切か:事実やデータをもとに、相手を責めずに自分の考えを伝えられるか。
- 成果を優先できるか:勝ち負けではなく、チームや顧客にとってよい結論を目指せるか。
日本の職場では「和」が大切にされ、正面からぶつかることを避ける傾向があります。そのため「対立」という言葉に身構える人も多いのですが、面接では意見の相違をどう建設的に乗り越えたかとして話せば十分です。
どんなエピソードを選べばいいですか?
次の条件に合う話を選ぶと、安心して話せます。
- 仕事の中身についての意見の違い:進め方、優先順位、品質と納期のバランスなど。個人的な好き嫌いや感情的なもめごとは避けます。
- 自分が当事者である:他の人同士の対立を仲裁した話でもよいですが、自分が何をしたかがはっきりしているもの。
- 何らかの形で収まった:完全な解決でなくても、話し合いで方向が決まった、仕事が前に進んだという結果があるもの。
- 相手を悪く言わずに話せる:相手の人柄の話になってしまうエピソードは選びません。
どんな順番で話せばいいですか?
次の4つの順番で話すと、自分の行動と結果がはっきり伝わります。
- 状況:何の仕事で、誰と、どんな点で意見が分かれたか。
- 相手の考え:相手がなぜその意見だったのか。相手の立場を一文で説明できると、話全体の印象がぐっとよくなります。
- 自分がとった行動:一対一で話す時間をとった、相手の話を最後まで聞いた、数字や事実を集めた、折衷案を出した、必要なら上司に相談して判断を仰いだ、など。
- 結果とその後の関係:何が決まり、仕事にどう影響したか。相手との関係がその後どうなったかまで話します。
この話し方は、経験を伝える型であるSTAR法と同じ考え方です。時間配分などの詳しい使い方はSTAR法の話し方と回答例を参考にしてください。
相手によって、答え方は変わりますか?
聞かれ方には次のようなパターンがあります。どれも基本の型は同じですが、強調する点が少し変わります。
同僚との意見の違い
対等な立場なので、話し合いで落としどころを見つけた過程を中心に話します。
上司との意見の違い
上司の判断を否定する話にならないよう、懸念を事実と一緒に伝え、最終的な判断は尊重した流れにします。自分の提案が採用されなかった話でも構いません。
お客様・取引先との意見の違い
相手の要望の裏にある本当の目的を聞き出し、できることとできないことを誠実に伝えた話が向いています。
学生時代のチーム活動
ゼミの共同研究、サークル運営、学園祭の準備などで、方針が分かれた話です。新卒の面接では、アルバイト先での話もよく使われます。
「人と意見がぶつかったとき、どうしますか」と一般論で聞かれた場合
「まず相手の考えの理由を聞き、事実を確認したうえで話し合います」と考え方を一文で答え、すぐに「たとえば以前、〜」と短い実例を添えると説得力が増します。
意見が対立した経験の回答例は?
以下はすべて架空の人物による回答例です。
同僚との対立(ITエンジニア、小林 翔さん)
「新しい機能の開発で、同僚と進め方の意見が分かれました。私はリリースを急ぐべきだと考え、同僚は先にテストを増やすべきだと主張していました。会議の場では平行線だったので、後で二人で時間をとり、同僚が心配していた点を一つずつ聞きました。すると、以前の似た機能で大きな不具合が出た経験があったと分かりました。そこで、影響の大きい部分だけテストを追加し、それ以外は予定どおり進める案を一緒にまとめ、リリースは三日遅れで済みました。その後も、その同僚とは設計の段階から相談し合う関係が続いています。」
上司との意見の違い(アパレル販売、村上 彩さん)
「店舗の売り場変更について、店長は新作を入口に集めたいとお考えでしたが、私は定番商品を探すお客様が迷ってしまうことを心配していました。そこで、ここ一か月でお客様から場所を聞かれた商品をメモして店長にお見せし、定番の一部を入口近くに残す案をご相談しました。最終的には店長の方針を基本に、私の案を一部取り入れていただき、新作の売り上げを保ちながら、場所を聞かれる回数も減りました。」
学生時代のチーム活動(大学3年生、中村 優斗さん)
「学園祭の実行委員で、広報の方法をめぐって先輩と意見が分かれました。先輩は例年どおりポスターを中心に、私はSNSでの発信を増やしたいと考えていました。先輩の話を聞くと、地域の方への周知はポスターが大切だという理由があったので、ポスターは続けつつ、学生向けにはSNSを担当させてほしいとお願いしました。結果として来場者が前年より増え、翌年からはこの分担が引き継がれています。」
回答のあとに、どんな深掘り質問が来ますか?
- 「そのとき、相手に対してどう感じましたか?」
- 「もし相手が最後まで納得しなかったら、どうしていましたか?」
- 「今振り返って、自分の対応で直したい点はありますか?」
- 「その相手とは、今どんな関係ですか?」
「直したい点」を聞かれたら、小さな反省を一つ正直に話せると誠実さが伝わります。うまくいかなかった経験を話す準備は、挫折経験・失敗談の答え方とあわせて進めると効率的です。
避けたい答え方は?
- 「人と対立したことはありません」:協調性のアピールのつもりでも、意見を言わない人、または自分を振り返れていない人に見えます。
- 相手を悪く言う:「あの人は話が通じなかった」などの言葉は、話している本人の印象を下げます。
- 自分が正しかっただけの話:相手を説き伏せた武勇伝は、柔軟さがないと受け取られます。
- 結果がない:「話し合いました」で終わらず、何が決まり、どうなったかまで話しましょう。
- 感情的な対立:個人的な好き嫌いや陰口の話は、仕事の話になりません。
本番前にどう練習すればいいですか?
意見が対立した話は、声に出すと、相手を責める言葉や当時の気持ちがつい混ざりやすい質問です。答えを一度録音して聞き返し、相手の考えを説明する一文が入っているか、結果とその後の関係まで話せているかを確認しましょう。上の深掘り質問を家族や友人に投げてもらうと、本番に近い練習になります。
よくある質問
結局、自分の意見が通った話を選んでもいいですか?
構いませんが、「自分が正しかった」で終わらせないことが条件です。相手の意見のどこに納得できる点があったか、それを結論にどう取り入れたかを話しましょう。相手の案を採用した話や、両方の案を組み合わせた話の方が、柔軟さが伝わりやすいこともあります。
対立がまだ解決していない話でも使えますか?
使えますが、自分がどう対応したかと、その時点での落としどころは必ず話してください。完全に解決していなくても、話し合いの場をつくった、役割分担を決めて仕事は前に進めた、という結果があれば答えになります。何も決まらずに終わった話は避けましょう。
上司の指示に納得できなかった話をすると、反抗的に見えませんか?
伝え方次第です。指示に従わなかった話ではなく、懸念を事実と一緒に伝え、最終的には上司の判断を尊重しながら仕事を進めた話であれば、むしろ意見を言える人として評価されます。上司を批判する言葉は使わないようにしましょう。
グループディスカッションで意見がぶつかったときの振る舞いも見られていますか?
はい、新卒の選考で行われるグループディスカッションでは、意見が分かれたときの振る舞いがよく見られます。相手の意見を否定から入らず、「その案のよい点は〜ですね」と受け止めてから自分の意見を言うと、面接で話す内容と実際の行動が一致します。